2025-05-31

法人税等の予定申告・納税をオンラインで行う際の注意点とか

法人税等の予定申告をオンラインで行う際の手順と注意点をまとめています。国税はe-Tax、地方税はeLTAXを使用し、それぞれのシステムでの申告方法や支払い手続きについて、よくある注意点含め解説します。

国税と地方税、e-TaxとeLTAX

法人として払う税金は国税と地方税に分かれます。国税は国に納める税金で、法人税や地方法人税、消費税などが含まれ、e-Taxで申告し、支払います。一方、地方税は都道府県や市区町村に納める税金で、法人住民税や法人事業税などがあり、eLTAXで申告し、支払います。

e-Tax・eLTAXいずれもWeb版、Windowsアプリ版があります。Macユーザーでも一部手続きはWeb版でSafariでできるのですが、以下の問題があります。

  • 手続きによってできるできないがあり、それぞれがe-Tax・eLTAXで異なる
  • ブラウザやアプリインストールの下準備が面倒
  • OSやブラウザのアップデートの影響で以前できた手続きができなくなる

Macを使っている私は、以前はなるべくWeb版で済まし、どうしてもWindowsアプリ版を作りたいときは、Boot Campアシスタントを使っていました。ただ、最近はもっぱら、ParallelsでWindowsアプリ版を使っており、余計なことを考えることが大分減りました。

予定申告の条件や時期

法人税や地方法人税、消費税、法人住民税や法人事業税、それぞれについて、消費税ならば前年度の確定消費税額が48万円以上、法人税や地方法人税、法人住民税や法人事業税については、前期のそれぞれの税額が20万円以上の場合には予定申告が必要です。予定申告では、前期の確定税額の半分を、半期経過後2か月以内に支払う必要があります。

予定申告を期間内に支払わない場合は延滞税が発生します。

。これは本税額に年間7.3%(2024年1月1日現在)の利子税が加算されるため、できるだけ期限内に納付することが重要です。

確定申告の場合は経理データをベースに確定申告のデータを作成する必要がありますが、予定申告については事前の税額に応じて基本的に支払うべき金額が決まっています。したがって、e-TaxやeLTAXにメッセージが届くので、記載のリンクから進むと、スムーズに手続きを作成することができます。

e-Tax

地方法人税は名前からして地方税な気がしますが、先にも述べた通り、法人税であり、e-Taxで支払います。基本的な流れは下記のとおりです。

  1. メッセージボックスで予定申告の案内を開く
  2. 予定申告の手続きを作成
  3. 手続きに電子署名を付与
  4. 手続きの送信
  5. オンラインバンクかクレカで支払う

メッセージボックスを起点にできるので、マニュアルはなくても進めることもできると思いますが、より詳細の流れを知りたい場合は、私も利用している全力法人税さんの「法人の中間納付・予定納税を電子申告する方法|法人税・消費税・地方税」を参照することをお勧めします。

電子署名はマイナンバーカードもしくは法務局が発行する電子証明書で可能ですが、一般的なカードリーダーだと、ParallelsのWindowsではマイナンバーカードを読み込めないため、電子証明書で対応するのが容易だと思います。

e-Taxのメッセージボックス画面
e-Taxのメッセージボックス画面

手続きの送信後、支払い方法へのリンクがメッセージボックスに届くので、そこからオンラインバンクもしくはクレカで支払います。クレカだと0.8%強の決済手数料がかかるので、カードのポイント還元率を考慮して、どちらにするかを決めると良いと思います。通常だと1%還元のカードであっても、法人税等の場合は0.5%ということもあるので、一度ご利用の法人カードの還元率についてご確認いただくといいかと思います。

法人税・地方法人税とは別に、消費税・地方消費税の手続き及び支払いのメッセージも届いているので、別で申告及び支払いを行い、国税の手続きは以上になります。

eLTAX

eLTAXでも流れはe-Taxと近いのですが、若干の注意点や違いがあります。

  1. メッセージボックスで予定申告の案内を開く
  2. 予定申告の手続きを作成
  3. 手続きに電子署名を付与
  4. 手続きの送信
  5. 納付情報の発行を依頼
  6. オンラインバンクかクレカで支払う

私が今回一番手間取ったのは、「2. 予定申告の手続きを作成」です。e-Taxではメッセージボックスのリンクからそのまま手続きを作成し、何の編集もせずに電子署名の付与に進めました。しかし、eLTAXだと何回やっても、電子署名の対象手続きがないと表示されます。調べたところ、何かしら情報を編集しないと先に進まないというダメ仕様になっていることが判明しました。例えば、下記のように日付を入力して保存するだけでも署名に進めるようになります。

eLTAXの申告データ作成画面
eLTAXの申告データ作成画面

また、e-Taxだと手続きの送信後にメッセージが届いて、そこから支払いが行えますが、eLTAXでは手続きの送信後に納付情報の発行を依頼する必要があります。依頼するときは、事業年度等を厳密に選ぶ必要があり面倒ですが、依頼を行う必要があるということを知っていれば、迷うことはないと思います。

最後に

以上のように、予定申告は去年の確定税額に基づいて行われるので、問題なければ、全て合わせて1時間もあれば終わるような手続きです。紙でやることも可能ですが、国もデジタル化を推しており、私としても100%オンラインの申請をお勧めします。